仕事への想い
近代日本の夜明けが一つの西洋文明の模倣からであったかも知れない事実は現代日本人の上に重くのしかかった課題です。 西洋への憧れ、新鮮に見えた西洋のあらゆる物や文化を受け入れた日本人ですが、今、真の日本文化の魅力が見直されつつある様に思われます。 現代という生活スタイルの中で、伝統は少しづつ形を変えて生きています。 時代性を自覚し、独創的な仕事を模索すべきだと考えます。 質の問題と共に、弊害性の少ない環境にやさしい消費経済が望まれています。 日本文化の一つの原点とも言える「衣」、 着物文化の衰退が激しい中で、その文化を基とし、野山に自生する草木を刈り、繊維を取り出し、あくまでも素材が生かされた状態で、野性味ある布を織ることを心がけています。 また、素材の可能性を求め、織る、編むの狭間・布、籠の狭間を追いかけ、独創的で感性溢れる仕事を目指しています。 時間に追われ、都会で暮らす私達が忘れかけている「自然と生活」「創作と感性」を問いかけて、常に現代人への一つのメッセージを贈り続けたいと思います。
略歴
- 1955熊本市生まれ
- 1975萩女子短期大学国文学科卒業
- 1977~1979熊本県工業試験場窯業科にて研修
- 1975~1985母(故)今和泉睦子に雑草織、服飾デザインを学ぶ
- 1985母の仕事を全面的に受け継ぎ全面にて個展活動を続けている。
- 1997~創作工房「自然を着る」をpittore HIROMI(夫・画家 栃原洋見)と共宰
作品
